インタビュー10

食事処 叶や 店主 牧野良仁さん

Q 震災前は何をやられていたのですか?
A 自宅兼旅館をやってました。 震災後は自宅が半壊だったものですから、もともと南相馬市の旅館ホテル組合って組合があるんですよ、地元のね。あの人達優秀な方達なんですよ。そこに原町の金沢の方に仮設ホテルをオープンしまして、まあ種々常々、気にはなったもんですから、終わったんでこっちに帰って来たんですけど。

Q 再開してやっていこうというのは解除になる頃にはもう決めていたんですか?
A うん、というか、もうやっぱりその町の人達から食べるとこ無いんだよって。ってもんでさ結局蕎麦屋さんとかラーメン屋、すし屋、コンビニしかないっていうんで、んじゃもう半分でもやるかなぁって、食べるとこ無いって言われたもんですからやろうかなと思って。

Q 強制避難になって当時はどんな感じでしたか?
A 当時は一番最初福島に、妹夫婦がいるもんですから。じゃあ福島に行って、福島にやっぱりいづらくなったちゅうかね、東京にもいたもんですから、じゃあ東京にって行きまして。そうゆう親戚が居たもんですからしばらくしたら、それも居づらくなって、会津の方に行ったんですね、とりあえずまもなく学校始まるって言うから、んじゃ原町で借り上げでも借りようかなと思いまして。最初はすぐ戻れるのかなと思ったんですけど逆にね、逆にそしたらあんなに伸びるとは思わなくって。

Q 小高の魅力を教えてください。
A みんな小高はのんびりしてるってことが一番じゃないのかな、人がいいって事が一番住みやすい条件なのかなぁって思うんですよね。今もたまたまガーデニングをやっていて、最初にプランターを提供してもらったんですけども、復興デザインセンターの方に貸し出してもらって野菜の苗とかを植えるんです。関東から来ている学生達にもアドバイスをもらいながら作って育ててるんですけども、そうやってみんなが集まって若い人たちも来てくれる。

Q これから小高に戻られるような方にメッセージをお願いします。
A 別に本人次第ですからね。これはね。別に本人の仕事もあるでしょうし生活もあるでしょうし、無理にとは言えないんで成り行きに任せるとか、帰って来いとは言えないですからね。いくら自然がいいから帰って来いって言ったって中々ね。それはね自由もあるんでしょうから帰ってきたければ帰って来て下さいぐらいですかね。